
薬剤師って楽そうだし、給料高くていいよね。



実はそんなことはありません。
薬剤師って実は割に合わない仕事です。
授業料は高くて、6年間も大学へ行ったのに、報われないと思うことばかりです。
なぜ、薬剤師は割に合わないのか。
割に合わないポイントを上げていきます。
授業料高すぎ問題


私立の薬学部は授業料が高いです。
6年間で1200万円かかります。
しかも、6年間留年せずに卒業し国家試験に合格する学生の割合は6割に満たないので、多くの人が1200万円以上の授業料を費やして薬剤師になります。(薬学教育6年制及び薬剤師に関する状況より)
薬剤師は調剤薬局、ドラッグストアに就職すると、20代30代の給料としては高額です。
初任給はいいのですが、そこから大きく上がる可能性は低い職業です。
私立薬学部に行って、調剤をする薬剤師になると、授業料と給料が割に合いません。





それなら、国公立の薬学部に行けばいいじゃない?



国公立に行けるほどの学力があるなら、薬剤師にこだわらなくてもいい
国公立の薬学部に行くほどの学力があるのなら、薬剤師になりたい!という場合を除いて、わざわざ薬学部に行くメリットはないのではないかと思います。
国公立大学の薬学部は偏差値が高いので、入れる学力があるのなら、もっといい職業がありそうです。
6年間勉強する意味あった?


私立薬学部では6年制薬学部に入ると、患者様のため、医療のため、薬のエキスパートとして素晴らしい薬剤師になるようにと6年間みっちり教育を受けます。
ドラマのアンサングシンデレラに出てきたような素晴らしい薬剤師です。
でも実際は、医師の顔色をうかがいながら、患者の顔色をうかがいながら、波風立てないように仕事をします。
6年も大学行ったのに、病院では「薬を時間通りに用意することがメインの仕事の人」、薬局では「薬を用意する店員」という認識で終わっているような気がします。
病院薬剤師はきついのに薄給


病院薬剤師の給料は安いです。
それなのに夜勤はあるし、抗がん剤や院内製剤の調剤はあるし、危険・きつい・責任重いの3重苦。
でも、病院薬剤師って人気があります。
大学で医療人としてなんて叩きこまれると、「病院で働かないと一人前の薬剤師ではない」みたいな気分になるんですよね。
実際、医療のことを学びたければ、調剤薬局より病院です。
でも、給料安い。
給料安いのに、責任重いし、夜勤あるし、しんどい。
「安いけど勉強になるから」っていうけど、もう6年間勉強したのにその授業料を背負ってまで、アラサーになってまで、まだ勉強なのかと思ってしまいます。
勉強してその後、目覚ましい高給取りになれるというのなら価値があるかもしれません。
しかし、薬剤師は特別高給というわけではありません。
薬剤師の地位が低すぎ問題


薬剤師の地位って低くないですか?
6年も大学行って、授業料払って、それなのに。
医師よりは圧倒的に下の立場。
看護師には嫌われて、怒鳴られることも。
気の強い看護師さんから「薬剤師は定時に帰るのがむかつく」と言われたこともあります。
看護師さんにもいい人はいるし、そんな人ばかりではないですが、「薬剤師は楽して稼いでる」と思われている節があるような。
看護師さんに比べれば、激務さでは負けるかもしれません。
しかし、薬剤師になるまでに6年間、血反吐を吐く思いで歯くいしばって机にかじりついてきたのですが、そこに思いを馳せてはくれないようです・・・。
患者さんからは、薬剤師は薬をそろえて出すだけの「袋詰め」が仕事だと思われていることも。
「薬を用意するだけなのに、なんでこんなに遅いんだ!」と言われることは日常茶飯事です。
薬局は接客業


薬局は接客業みたいなものです。
実際、接遇としてマナー講師を呼んで研修を行い、笑顔の練習をさせられることもあります。
6年間大学に行って、「医療人とは」なんて教育を受けたのに、社会に出たら「ミッキー」ってみんなで叫んで笑顔の練習をさせられたりします。
クレーム対応も多岐にわたります。
「薬袋の記載が間違えてる」とか、「薬のヒートに穴が開いている」とか薬局サイドの問題なら、真摯に対応しやすいんです。
完全にこちらが悪いですからね。
「病院で出してくれと言った薬が入ってなかった。家までもってこい。」とか、「もう飲まなくていいと言われた薬が入っている。」とか、なぜか病院に言わずに薬局に電話がかかってきます。
問い合わせだけならいいのですが、なぜか怒られる。
基本的に処方箋の通りにしか薬出さないんですけどね。
せめて、冷静に話し合いたいものです。
薬を出す速さは、吉野家並みの効率を求められます。
しかし、調剤の仕組みはとっても複雑です。
粉薬もあれば、水薬もあり、作るだけでなくチェックもある。
そして、処方が間違えていることもあるので、その問い合わせもある。
問い合わせする前にお知らせに言って、「そんなのいいからそのまま出せ」と言われることも薬剤師あるあるです。
でも、そのまま出すことなんてできません。
たとえ患者さんがそういったとしても、何かあったときに薬剤師の責任が問われます。
このように、調剤薬局では、クレームが多岐に渡るため、スピード重視で動きながらも、判断の的確さを求められます。
困ったクレーマーや、瞬間湯沸かし器のようにすぐ怒鳴る人にあたると、神経をやられます。
薬剤師は、精神を病む人も多く、そのまま去っていく人も少なくない職業です。
人間関係がしんどい


病院も調剤薬局も人間関係はしんどいです。
パワハラ、いじめ、どこにいってもよく耳にする話です。


次々と職員が辞めていき、誰も残らなかった、なんてよくある話。
そんなことない職場も多いのですが、いい職場に当たるかどうかは運次第。
特に新卒で大手調剤薬局チェーンに入った時は、どんな職場に当たるかはガチャ要素強め。


もし、よくない職場に当たってしまったら、やることは「自分のどこがいけなかったんだろう」という自問自答ではなく、転職です。
製薬企業だってMRを大量解雇するこの時代。
終身雇用なんてありません。
この時代に一社にずっとい続けるほうが、つぶしが効かなくなって、ハイリスクです。
ダメな職場に当たってしまったら、逃げれるときに逃げましょう。




心に深い傷を負ってしまうと、転職する体力がなくなり、逃げることもできなくなります。
薬局には薬剤師だけでなく、調剤補助の人や、事務の人といった経歴の違う人達とも仕事をしなければいけません。
学歴も給料も全く違う人達が集まって仕事をすることは、なかなか難しいものがあります。
そして、最近の薬局経営は苦境に立たされており、売上!売上!とつつかれ、のんびりなんてやっていけなくなっています。
ストレスが増えると、ギスギスしてきますよね。
安定だけが取柄の薬剤師なので、職場でものんびり安定した業務をしたいものですが、そうもいきません。
昇給しない


薬剤師は20代のころの給料はいいです。
400万円から500万円ぐらい稼げます。
しかし、昇給はあまり高くなく、頭打ちを迎えます。
薬剤師の収入源となる処方箋をさばける数は、薬剤師一人当たり40枚までと決まっているので、ある程度で給料は頭打ちになるのも、うなずけます。
給料があまり上がらないので、私立薬学部に言っていた場合、高い授業料の割に、給料は高くないとなります。
薬剤師になるためにかけた費用に比べて割に合わないのです。
24時間働けますか!?


近年、調剤薬局の薬剤師は24時間対応を迫られています。
店舗の携帯を持たされて、患者さんの電話にでなければいけないのです。
その電話がたとえ夜中にかかってこようとも。
そして、夜中にかかってきて対応したとしても、次の日は通常通りに仕事に行かなくてはいけません。
精神科や小児科の多い薬局勤務だと、電話がなる回数は多くなります。
夜中にかかってきて、叩き起こされ、次の日も普通に仕事にいかなければいけないのです。
ドリンク飲んでファイト一発!も連日になると効きません。
そして、いつ鳴るかわからない薬局の携帯電話を持たされても、もらえる手当は1日当たり数百円。
管理薬剤師手当に含んでいるなど、手当が出ない薬局も多いです。
特別高給じゃなくても、安定していて、プライベートも充実しやすいことがウリの薬剤師。
そのために6年間高い授業料払って、その授業料の割に高くない給料でも、安定しているし、働き方はブラックではないしと、なんとか自分を納得させてやってきたこの仕事。
働き方までブラックになってしまったら、いよいよ「割にあわないよ!!!」と血の涙を流しそうです。
薬剤師は割に合わない!と言いたくなることはいっぱい


薬剤師は高い授業料の割に給料は特別高給ではありません。
その代わり安定していることが取柄なのですが、精神を病むような職場環境も多く、接客業のようなものでもあるため、その対応でも心をすり減らします。
6年間大学へいった割には、社会的地位も低く、医師の顔色をうかがいながら仕事をしています。
最近は24時間対応も求められ、かかりつけ薬剤師もあり、業務は増えていく傾向にありますが、給料は増えません。
薬剤師になってから、割に合わないポイントがたくさんあることに気づいてしまいました。
それでも、薬剤師を辞めることはできません。
高い学費を払い、20代前半の貴重な期間を費やし、薬剤師になったのですから。