まだ大学生のころに高校の同窓会に行ったときのこと。
久しぶりに会う結婚を控えた同級生にこういわれました。




薬剤師ってうらやましいですか?
今現在薬剤師になっている姿だけをみると楽して稼げていいな~と思うでしょうか?
その気持ちはとてもよくわかります。
私も中学生のころ、友達のお母さんが薬剤師で、友達が「お昼に家に帰るとお母さんは家に帰ってきていて、ゲームしてるよ。」と聞いて、薬剤師っていいなぁと思いました。
その話を聞いただけで、薬剤師って楽して稼げそうでいいな~と目指す職業の候補に入れてしまいました。
しかし、なってみると現実は甘いものではありませんでした。
薬剤師になるために青春を勉強に捧げた


薬剤師になるために薬学部に6年間通わなければいけません。
10代後半から20代前半の貴重な時期をしんどい、きつい、辞めたい、逃げたいと思いながら6年間なんとかやり遂げました。
国家試験の前なんて、精神崩壊、号泣する同級生が多数出没します。
地獄絵図です。
留年も多いため、自分の勉強を徹夜続きで乗り越えた後、友達の追試に夜通しつきあったこともありました。
眠眠打破にはずいぶんお世話になりました。
眠眠打破をコンビニでみかけると、お世話になった感謝の気持ちと共に、あの頃を思い出して眠眠打破の濃いいカフェインの味もフラッシュバックして吐きそうになります。
薬剤師になったけど多額の借金も背負った


家がお金持ちならよかったのですが、残念ながらそうではないので、奨学金を借りて進学しました。
むしろ、よく私立の薬学部に入ることを反対されなかったなと思うほど。
頭もよくなかったので当然私立しか選択肢はありませんでした。
そうやって無理して入った薬学部ですが、高校生の頃はその学費の高さと奨学金は借金だということを理解せず入ってしまいました。
そうして背負った奨学金という名の借金は約1000万円。
20代半ばにして高級車を買えるほどの金額の借金を背負ってしまいました。
薬剤師は薬を扱う接客業のようなもの


薬剤師は大学院にあたる年数まで履修しますが、研究職に就職する人はとっても少ないです。
研究職は募集自体が少なく、門戸が狭いため、私立の薬学部では就職先としてメジャーになるようなものではありません。
私立大学薬学部を卒業した薬剤師が就職する先は、調剤薬局が一番多くその次に病院、企業、ドラッグストアと続きます。
企業はMRという製薬会社の営業が多くを占めていると推測します。
調剤薬局は接客業のようなものです。
患者様の機嫌を損ねないように、薬の説明をし、要望を聞き、満足していただけるように接する。
人の体内に入って作用するような重要なものを扱いながら、時にはバスの時間がせまっていると急かされ、時には対応が気に入らないと怒鳴られる。
正確に、安全に、早く薬を用意しないといけません。
扱ってるものの危険性と、人への対応で疲弊する薬剤師も多くいます。
実は向精神薬を服用しながら働く薬剤師は多かったりします。
薬剤師は勝ち組?
勝ち組だとは思いません。
青春を勉強に捧げ、高額な学費を投資し、得られるメリットは安定と平均より高い年収ですが、そのメリットも将来どうなるかわからなくなってきています。
薬学部が増えすぎて、薬剤師も増えました。
そして、厚生労働省は薬剤師は将来余ると発表しています。
超売り手市場が保証されていれば、勝ち組で薬剤師の資格にあぐらをかいて過ごしていたかもしれません。
年収だって薬剤師が過剰になるとこのままの水準を保つかどうかわかりません。
正直これだけの学費を投資して、安定性と年収が保証されなくなるとなんのために青春をささげたのかと悲しくなってしまいます。
ここまでの年月と金額を費やさなくても、もっといい職業ありそうだけどなと今は思います。
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薬剤師になるのに結構な犠牲を払ったが、将来の保証はない


薬剤師って高年収で楽そうな仕事でうらやましいと思う人もいますよね。
私もなる前まではそう思っていました。
ですが、なるまでの時間とお金の投資は結構なものですし、それだけしたのに、将来薬剤師は余ると言われています。
安定性と女性の就く職業としては高年収だというメリットがなくなってしまうと、若いころに青春と学費を投資した過去を思い、涙してしまいそうです。